インタビュー-アジア

日本にいるよりも、海外にいた方が圧倒的に目立つことができます。cheero Thailand Managing Director 須貝宏幸さん

今や、生活の一部としてスマホやタブレットが必須になった時代。

ただ通勤通学や休み時間中にアプリを使いすぎて、半日でもう充電がない!なんてことになったりすることもしばしば。

でも最近では、モバイルバッテリーの登場で、そんな充電切れも怖くなくなりました!

今回はそんなモバイルバッテリー、周辺機器などを取り扱い、さらにダンボーバッテリーの販売にて注目されているcheero ThailandManaging Director 須貝宏幸さんにお話を伺いました!

 

オンライン市場にて、圧倒的な地位を獲得!

  

鈴木:本日はよろしくお願いいたします!早速ですが、現在のお仕事内容について教えていただけますか?

須貝:ティ・アール・エイ株式会社cheeroブランドタイ支社における責任者をしております。cheeroというのはモバイルバッテリーを含む周辺機器のブランド名なんですが、日本でモバイルバッテリーが出始めた頃にオンライン限定(Amazonなど)で発売し、大手メーカーの半分くらいの値段で売ったことによりとても認知された商品なんですね。

最初はシンプルなデザインのものが多かったんですが、現在ではダンボーというキャラクターデザインのモバイルバッテリーも販売しています。

ダンボーというのは、元々「よつばと!」という漫画に登場するキャラクターのことなんですが、amazonでも多く取り上げられているキャラクターなので、見たことがある方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。そしてそのダンボーの形をしたバッテリーを、著作権元のよつばスタジオさんにお願いをして、サポート頂きながら作らさせていただき、現在一緒に仕事をさせて頂いております。ちなみに、ダンボーバッテリー含め弊社のモバイルバッテリー販売数は、日本だけで月6〜8万個ほど売れている状況です。

私のこのタイ支店での役割としては、このcheeroをどのようにしたらタイの市場にて拡大をさせていけるかという主な戦略を立てること、そしてその戦略をタイ人のスタッフに落とし込んで実行してもらうというマネージメントの部分。さらに、タイ以外での東南アジア各国における新しい顧客獲得をすることが主な役割となっています。

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好調のダンボーバッテリー。

 

ベトナムにてカフェ運営の責任者、そしてタイへ!

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鈴木:タイで働くことになったきっかけというのは何だったんでしょうか?

須貝:去年の5月にタイに来たので、今(2015年9月)で1年4ヶ月ほどになります。

実は親会社がタイに会社を立ち上げるというのが決まっていて、私に声をかけてくださったのがタイにきたきっかけになります。なので去年の3月に会社に入社をして、2ヶ月ほど日本で業務を学び、そしてすぐにこちらに来て会社の立ち上げをしました。

ちなみにタイに来る前には、ベトナムに1年半ほどいて、カフェを運営したり個人事業主として日系企業の進出支援や人材紹介、農業視察ツアーなど、幅広い仕事をしておりました。

鈴木:お話を聞いているとすごく多岐にわたる仕事をされてますが、元々の専門というのはどういった分野なんですか?

須貝:元々は新卒で日本のIT系のコンサルティングの会社に入社したんですね。そこでやっていた内容としては、大手企業のシステム開発のプロジェクトマネージメントです。エンジニアの方々を束ねながら、得意先のシステム導入提案から定着化まで支援していました。システムのこと以外にも、マーケティングなど様々なことを多岐にわたって担当しており、そこで3年半ほど働きました。

鈴木:海外で働くということには元々興味はあったんですか?

須貝:サラリーマン時代にもメキシコ出張などをさせて頂いたり、海外と接する機会というものがあって、将来的には海外で働きたいなぁとは考えていたんですよ。そんな時にあるご縁で、ベトナム第3の都市である「ダナン」にカフェを作ろうっていう、プロジェクトに出会い、責任者を任せられたのです。このプロジェクトは、「日本人のグローバル化が遅れている」ということを解決するための一つの手段として、海外に「場作り」をしようということから生まれた取り組みです。その場に日本人や現地人などが集まって、いろんなコラボやプロジェクトを生み出せる場にしようということが目的でした。もちろん場所を借りているだけだとお金が出て行ってしまうだけなので、お金を回収する手段としてカフェというものを始めたんです。

鈴木:サラリーマンをしながらそのプロジェクトに参加したんですか?

須貝:そうなんです。サラリーマンをしながら同時並行でやっていたんですが、どうしても仕事もカフェも中途半端になってしまう。当時、私は27歳だったんですが27歳なら多少冒険をしてもいいかなって思って、会社を辞めてカフェの方に専念したんです。

ただ、結果としてはカフェは潰してしまいました。どうしても運営がうまくいかなくなってしまったんですね。しかしながらこのまま日本に帰るのも格好悪いなと思い、カフェ時代に知り合ったベトナム人たちと日本企業向けに仕事をしていました。

カフェを半年ほど、そして個人事業主として半年ほどベトナムで色んなことをしていたのですが、そんな時に日本のサラリーマン時代の同僚が声をかけてくれて今の会社に入ったという形になります。

 

海外にいた方が圧倒的に「目立てる」ということ。

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鈴木:ベトナムからタイへと住まいを変え、すでに3年ほど海外で仕事をされている須貝さんですが、内向き志向と言われている日本の若者に対して何かメッセージをお願いします!

須貝:私が新卒でコンサルティング会社に入社した時に思っていたのは、「どこでも活躍できる人材でありたい」って思っていたんです。面白いプロジェクトやビジネスの場があった時に、それが例えば海外だから・語学ができないから・実力がないからといった理由で見逃してしまうのはすごく勿体ないなと考えていたんです。だからこそ会社名でなく、個人名で仕事を取ってくる傾向が強い、コンサルティング業界に身を置きましたし、そこで多くのことを勉強させて頂きました。

ただ、「どこでも活躍できる人材でありたい」というのと「海外で働きたい」というのはイコールとは思っていません。今私は海外で働いていますけど、日本で仕事をしたくないとか海外でなければ嫌だとは全く思っていないんです。

例えば、最近だと「地域創生」という言葉が流行っているくらい、日本の地方に人材が求められているじゃないですか。もしそこで自分が面白いと思う仕事があってご縁があれば、私はそこに行って仕事をするとなっても全然良いなと思います。

しかしながら、海外で働いているからこそのメリットという部分もあります。

それは何かというと、海外にいると日本人として圧倒的に「目立てる」んです。

日本人で優秀な人っていうのは、母数で言ったら圧倒的に日本で働いてますよね?そう考えると、自分を商品と見立てた時に、そこで目立つためには日本国内はレッドオーシャンなわけです。

そうなると、海外にいた方が目立てる確率が間違いなく上がります。

実際に、海外でちゃんと良い仕事をしていれば、周りから結構声をかけてもらえるんです。私の経験上でも、日本ではなかなか会えないような人にこちらで会えたりだとか、こちらの現地責任者同士のネットワークでお互いに知人を紹介し合ったりなんかもしています。

日本だったら上から10番手だったのが、海外にいることでそもそも人がいないから声がかかりやすくなるっていうのは間違いなくあります。

なので生存戦略的に考えた時に、海外で働くということは、日本で働くよりも人に会える可能性、色んな情報にコンタクトができる可能性、自分にとってのリターンが多くなるかもしれないということは皆さんに知って頂きたいなと思います。

 

あとがき

日本人の優秀な人は、母数で言ったら圧倒的に日本で働いている。

そんな当たり前のこと、今ままで全く考えてこなかったよという方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか?私がそうです。日本で生まれ育ったら、そのまま日本で仕事をするって当たり前のことですよね。でも実はその行為こそ、自分自身が目立てるチャンスというものを狭めていっているのかもしれません。ただ、海外だからこそ目立てるというのも、近い将来には無くなってしまうという可能性もあります。

それならば、善は急げ。

先に勇気を持って外に出て行く人材が、今空いているポジションを掴めるのではないでしょうか。